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6/16(fri,) 2017

35歳くらいの頃、当時渋谷に在った大きなスポーツ用品店にスニーカーを買いに行った。ネット普及前だったので、雑誌で見つけた目当てのスニーカーがあったんだけど、惜しくも自分のサイズは売り切れていて、店員の兄ちゃんに取り寄せ可能か訊ねてみた。「あ〜、そのモデルはヤバいんすよね〜」「??、取り寄せは難しいですか?」「はぁ〜、ヤバいんすよ〜」

兄ちゃんは推定25歳前後。10歳歳上の自分からすれば、そんな接客じゃダメだろ〜?って思うんだけど、辛うじて意味は通じているし、当時の自分にとって10歳下の世代の「ノリ」みたいなものは、なんとなく面白くて、別にイヤとは思わなかった。その兄ちゃんが自分と同世代みたいに気安く接してくれた事は、目上の相手に対する気遣いを持った接し方より、自分にとって望ましかったのだと思う。 そしてその事を自覚して「オレはもうワカモノではなく、おっさんなんだな〜」と思った覚えがある。

そんな当時の兄ちゃんも今は43歳くらいになって、すっかりいいおっさんになってるんだろう。そして僕はと云えば、20代のワカモノとはもはやコミュニケーションを取れる気が全くしない。でもそれが健全だなと思う。無理に近付こうとする必要はないかも知れない。それでもホントに必要な時は繋がれるのがいいなと思う。人間関係がうまく行くのに必要不可欠なのは、相手に対する関心の強度のバランスだと思う。お互いが相手に対して自然に同様の関心を持っていないと人間関係はあまり上手く行かないんじゃないかな。だから普段は無理せず遠い存在だとしても、何か共通の問題意識を感じた時にはよい関係が生まれたらいいなと思う。

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6/17(sat,) 2017

明日のライブの備えてポコペンさんとsakanaの練習。ポコペンさんが先日の広島〜岡山のライブで初めて演奏した新曲2曲の歌詞とアレンジを再考している。まるで不思議な彫刻を削り出して行くようにゆっくりと、しかし確実に曲の形を明らかにして行く様子を見て流石だなと思う。前回のライブではどことなく捉えどころがなかった曲の全体の歯車が噛み合った感じ。と云うわけで明日のライブ、とても楽しみです。

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6/18(sun,) 2017

と云うわけで本日は十条シネカフェ・ソトにてsakanaのライブでした。相変わらず所々間違ってしまうんですけど、新曲含む全18曲を二人共楽しく演奏しました。新しい曲はまだ少し不慣れな感じはあったと思うけど、これからいい感じになりそうな手応えを感じてよかったです。聴きに来てくださった皆さん、お世話になった皆さん、どうもありがとうございました。以下セットリストになります。

1.バウンティフリー
2.たとえば
3.ジニア
4.暗くなるまで
5.夜
6.モナ
7.カンパネルラ
8.アンジェリケ

休憩

9.スマイル
10.スカイ
11.花束
12.ウィークエンド
13.緑のベル(新曲)
14.コーピアスシャワー
15.ルピナス
16.ロッキンチェア

enc,
17.新曲(タイトル未定)
18.ミスマホガニーブラウン

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6/19(mon,) 2017

先日知人と話していて、「最近の若いバンドの名前、一つでも云えますか?」と訊かれて皆目答えられない自分にちょっと驚いた。そうか、いつも何かしら聴いた事がない音楽に関心を持っているつもりでいたけど、「今」とは完全にズレちゃってるんだなオレ、と今更ながらに気付いたのかも知れない。とは云え「マズいな」とは全然思わない。今だって音楽聴いて楽しい気持ちになれるんだから。

でも折角知人にワカモノバンドの名前を一つ教えてもらったので聴いてみた。ONE OK ROCK。なんだかとてもドラマチック。ワカモノはいつも何かを持て余してるのかも知れない。でも僕の年齢で「これいいね〜!」って云っても無理があるよね。

さて話しは変わって宣伝です。6/28(水)下北沢leteにて自主企画ライブ「ギターはわらっている」の2回目があります。僕は今回も清岡秀哉さんとのデュオで演奏します。メインアクトは坂口沙子さんのギター弾き語りです。坂口さんの弾き語りは朴訥としたシンプルさの中にヒンヤリとした緊張感を伴う独特の空気感が素敵です。歌詞をとても丁寧に作って歌う感じに惹かれて今回の出演をお願いしました。きっと地味だけど味わい深いライブになると思います。是非いらしてくださいね。
ご予約は以下のURLで受け付けています。
http://www.l-ete.jp/live/1706.html#d28

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6/20(tue,) 2017

数週間前に注文したCDが届いて、あまりの素晴らしさに驚きながらここ一週間毎日聴いています。ビル・フリーゼル(ギター)とトーマス・モーガン(ベース)の新作アルバム「SMALL TOWN」。ベースの人のことは知らなかったので、僕は単純にビル・フリーゼルの新譜として買ったけどモーガンさんのベースも素晴らしいです。それにしてもスゴいのはビル・フリーゼル。この人は作品数がとても多いので、全部どころか半分も多分聴けてないんだけど、それでも時々アルバムを買って聴いて来た。ラテンの人達とのコラボアルバムもよかったし、近年のビートルズカバーも面白かった。映画サントラもよいし、エルヴィン・ジョーンズとのデュオも渋くスリリングだった。最初に買ったアルバムは実はわりと遅くて、98年頃リリースの「Gone Just Like a Train Import」ジム・ケルトナーのドラムとの掛け合いがスリリングで素晴らしいアルバムだった。ともかくどんな音楽を取り上げてもこの人としか云い様がない個性的な演奏が素晴らしい。タイム感の独特さは、マーク・リボーと双璧だと思う。タイプは全然違って、マーク・リボーは鋭角でスリリングなタイム感、ビル・フリーゼルは曲線を描く様に柔らかで優雅なタイム感。でもボンヤリと鈍い印象は皆無で、明晰でひんやりしたシャープさも感じるところが唯一無二。色々な音楽に精通しつつも、アメリカのルーツミュージックに範を取った、茫洋と広がる光景を思わせるサウンドがこの人の軸なのかなと僕は思っている。でも例えばライ・クーダーの様な土臭く、ドラッギー?な感じとは違って、ビル・フリーゼルの音楽から立ち上がって来る雄大な光景は、実は全てプラスティックで作られた模型だった、と云いたくなる様な奇妙な人工感がある。そんなところも自分にはとても好みだったりする。多分空間系のエフェクターを多用して音色を得ている所為かも知れない。あと今回のアルバムであらためて感じたけど、この人はルーパーの扱いがとても巧みで、ジャズ的な即興にルーパーを利用して、(矛盾した云い方になるけど)人工的なのに有機的?なアドリブソロを展開するのがとても魅力的だった。

長くなってしまったけど、長いキャリアを持つこの人の中でも、僕が知る限りでは最高作のひとつじゃないかなと思う素晴らしさだった。いつまでも音楽的な興味を掘り下げて進んで行く冒険心が何より素敵だと思う。昨年3月のビレッジ・バンガードでのライブを丁寧に録音、マスタリングしたライブ盤です。録音の立体的な美しさも驚きのクオリティだと思います。もし興味があったら聴いてみてくださいね。

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