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5/24(thu,) 2018

先日から引き続いてブコウスキーの「勝手に生きろ」を読む。更に露悪的なひどい内容。「くそったれ少年時代」にはまだ叙情的な部分が少しはあったし、ラストなんかはとても哀愁があったけど、「勝手に生きろ」はもはやハードコアと云っていいほどに身も蓋もない。そしてこの作品は明らかにコメディとして書かれている。露悪的で下品で身も蓋もないギャグが執拗に描かれるシーンのバカらしさはある意味圧巻。ラストだって哀愁もクソもない。確かにある時代の貧しい労働者の生活の背景を知れるとは思う。昭和のドヤ街に暮らす道路工事のおっさんが小説を書いていたら背景的には似た感じかも知れない。「取り繕う事を拒絶した誠実さ」に人気があるのは分かった。でも僕はもう当分は読まなくていいかな。

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5/25(fri,) 2018

先日のブコウスキーを読んで以後思う事。ずっと前だけどこの日記でアンリ・マチスの事を書いた。同時代にキュビズムに留まらないピカソがいたし、ダダイズム、シュールレアリズムなどの動きもあったマチスの周りには古いスタイル、価値観、道徳観、思い込み等々を壊そうとする先鋭的な作家が多かった。マチスもその中で作風を磨いた人ではあるけれど「私はたとえ軟弱と云われようと、明るく暖かで幸せな絵が描きたい」と晩年語った。マチスのような大天才を引き合いに出すのは甚だ身の程知らずだけれど、僕はこの言葉にとても共感したし励みになった。仮に、現実が、政治が、人生が、友情や恋愛が、話す事が、考える事が、困難で過酷で恐ろしいものだったとしても、静かで穏やかでありふれていて控えめな絵が描きたい。絵は自分の想いの外側に置いておきたい。

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5/27(sun,) 2018

先日とあるアメリカ映画を観て思った事。恋人同士が出てきて会話をしているとスマホに着信があり、どちらかが電話に出るかメールをチェックすると、相手はそっぽ向いて相手のスマホを見ないようにしたり、相手から離れて電話の会話を聞かないようにする。咄嗟にそうする様子を観て、なるほどこれがアメリカのマナーなのかと思う。日本はここまで徹してはいないと思うけど、やはり似たような風潮はあるんだろう。相変わらずスマホを持たない僕がこんな事云ってるのはヘンかも知れないけど。

こんなマナーが必要だって事が相手のスマホを盗み見る事例の多さを物語っている気がする。ネット社会になって小さな端末に何でもかんでも情報が入ってしまう世の中になって、プライバシーや個人情報やらに対するデリケートな気遣いが当たり前の世の中は上記したような、一見滑稽にも思えるマナーを生み出すのか。

でも僕らが若い頃だって奇妙なマナー論争?はあった。当然未だ携帯もネットもないアナログ時代、恋人同士などが相手に不信感を抱いたらスマホの代わりにこっそり見てしまうのはアドレス帳。財布に入るような小さなアドレス帳を持ち歩いて、外出先で連絡が取りたくなれば公衆電話から電話するのが当時の通信手段だった。勝手に財布のアドレス帳を見られて大ゲンカなんて事が定番だったのだ。

相手に不信を抱いたらアドレス帳を見てしまうか?が当時のマナーとして雑誌などで言及されたりしたわけ。格好つけるつもりはないけれど、僕はたとえ不信を抱いても決して見たいとも見ようとも思わなかった。もし相手に不信感を抱いたら、それはアドレス帳やスマホを無理やり見て何も見つからなければ安心出来るようなものとは思えない。不信な違和感はもっと深くて感覚的なところから来ると思うんだよね。そしてそれがずっと続くようなら十中八九その不信は当たっているし、単なる思い過ごしなら不信感は時間が経てば自然に消えてしまうと思う。

僕みたいにたいして恋愛に縁のなかった人間がこんな事云っていても、はあ?って感じだろうが、僕にだって若い頃はあったしそれなりに辟易したのだね。だから若者に進言するなら、相手のスマホなんて見てもどうにもならない、君の不信はきっと当たっているよ、と云いたい。人は機械や発展に振り回されるんじゃなくて、やっぱり感情に振り回されるのだと思う。

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5/28(mon,) 2018

前回の日記で書いたウィルス性結膜炎はよくなった。眼科で云われた通り1週間経った。もらった目薬は弱いステロイドのものだったのできっと効いて炎症は治るだろうと思っていた。ステロイドって一時期とても危険なもののように云われていたよね。今は適正な使い方をすればいいって感じみたい。よくなったのでもう使うのはやめておこう。

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5/29(tue,) 2018

今日も部屋に引き籠って大きな絵を描いている。合間を縫ってギターを弾きながら曲も作っている。頼まれ仕事の小さなイラストも描かなくてはと思うけどまだ締め切りに余裕があるので後にしよう。

夜が雨に溶けて降ってくる。作業を早めに終えて着替えて出かけた。誰もが明日について嘘をついている。僕はきっと間違った情報を鵜呑みにして明日を探しているのだろう。いつまでたっても辿り着きゃしない。

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